あと、お砂糖を一匙足して

好きなものは好きだと言いたい

とっておきの薮くんの歌 その2

火曜日 Go Fighter

「自分手放しちゃダメだ」

 

強めの言葉で、強めの歌い方で、弱い自分を奮い立たせる歌、というコンセプトだけど、そうすることで逆に薮くんの優しさ柔らかさが滲み出ちゃうのがこの曲のツボかもしれない。
まず歌声。初めて聴いた時「こんなに薮くんの声甘かったっけ?」と思った。流星の詩とは全く違う歌い方で力強いんだけど、何故か甘い。力の抜き方が上手くて、全編通して押し付けるような歌い方をしない分、余裕があって声の柔らかさが滲み出ちゃうんだろうな、と勝手ながら推察。


さらに彼の書く歌詞が面白い。弱い自分を奮い立たせるための言葉が「自分手放しちゃダメだ」。
「オマエまだ立ち上がれるんだろ?」ってオラついた曲のはずなのに、やっぱり言葉が綺麗で、弱っている自分にきちんと寄り添った上での「自分手放しちゃダメだ」というフレーズ。弱い自分はやっぱり「自分」だということを知っているし、弱っている時はその「自分」を見失ってしまうことも知っているから、立ち上がるためには「自分」を握り締めていくことが必要。そんな薮くんの強さがグッとくる。下手すると押し付けがましくなる可能性もあるこのコンセプトの曲なのに、薮くんの言葉選びの美しさも相まって、すっと耳に入って力をもらえる曲になったんだなぁと思う。

 

最近らじらーやぶひか回再放送を聴いて、この詩は「ハル」にも影響されていたんだなぁ、と1年越しに発見できたのも個人的に面白かった。