あと、お砂糖を一匙足して

好きなものは好きだと言いたい

春を待つ緑

薮くんを好きになって、春が一層大切な季節になった。

「春」という言葉が持つ、ほわほわと温かくて世界が色で溢れていくようなイメージが、薮くんによく似合うなぁと思っている。

新緑の季節、というのも彼のカラーの黄緑にぴったり。

まぁ花粉は悩ましいけれど、年度末の忙しさはあるけれど、それでも春がこんなに待ち遠しくなったのは薮くんの影響。

 

最初のきっかけは、初めて見た薮くん主演ミュージカル「ハル」が、その名の通り春公演だったこと。

仕事に忙殺されながらも、ぼんやりした頭で新幹線に飛び乗り(当時は地方住みだった)、辿り着いた赤坂ACTシアターの前で桜が綺麗に咲いていた。あぁ、春だ、ハルと出逢う春だ、って。その光景が今でも忘れられない。

そこで浴びた薮くんの高らかな歌声。

この経験から、薮くんの季節は柔らかな陽射しが降り注ぐ春のイメージが強くなったんだと思う。

 

次の年はジョセフに会える、はずだった。2020年春。

こんな世の中になるとは思っていなかった。連日増えていくエンタメ中止のニュース。それでも諦めきれずに「春になったらジョセフに会える」と唱え続けながら、黙々と出勤する日々。

そんな中でもHAPPY Live with Youで見た金髪ストレートの薮くん。たぶん、ほんの少しジョセフの空気を纏っていて、そこに憧れを募らせて。

しかし、春は来ず。

 

各所で言われていたことではあるけれど、様々なエンターテインメントの場が閉ざされていく中で、その復活を待つのは「春を待つ」ような心持ちだった。

「どこかで元気に過ごしてくれていたら、それで良い。」と願うことしかできなかった時期。それは究極の願いではあるけれど、それしか願うことができない現状が寂しかった。ステージに立つ彼が見たい。でも、「見たい」と口に出すことが出来ない。悔しい。

コロナ禍だからこそ触れた彼の優しさ、強さはたくさんあるけれど、私はやはりステージで歌って踊ってきらきら輝く彼の姿に焦がれていた。

柔らかな春の陽射しのように、眩しいほどに辺りを照らす薮くんの姿を直接目に焼き付けたいと願う日々。

この時期偶然見つけた「春を待つ緑」と名付けられたイヤリング。次に薮くんに会える時はこれを身に着けようと、願掛けのように飾っていた。

 

春になったら薮くんに会える、と唱え続けた2年間。それが叶ったのは、やはり春だった。2022年春、ジョセフ開幕。

「春を待つ緑」を着け、2年間煮詰めた想いを抱えて見に行ったジョセフは、これまでのいろいろを吹き飛ばしてくれるようなハッピーなミュージカルだった。真っ白なコートに身を包み輝く薮くん。その明るさが、煌めきが、「あぁ、春が来たんだなぁ」と嬉しくなった。

 

その後、夏にはBMC、秋冬はアリーナツアー・ドームツアーで春夏秋冬薮くんに会えた1年だったけど、約2年ぶりの薮くんとの再開が「春」だった、というのは私にとって象徴的な出来事に感じている。

 

今年も、春になったら薮くんに会える。そんな素敵なお知らせが今年の正月に舞い込んだ。

嬉しい。とにかく嬉しい。春が、来る。

今年も会えるのは、ひとえに彼の努力が次の仕事へ繋がり続けたから。一つひとつの蕾を大きく開いて、満開の春を楽しむ薮くんの姿を想像している。

あぁ、春が待ち遠しい。